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社説「子育て支援“直接”と“間接”の両輪で」

 新宮市の新年度予算案が発表された。過去最大規模の予算編成で、ハード・ソフト両面で新規事業も多い。しかし、一つ一つの分野・事業を見ると、社会情勢を考慮せず、“かゆいところに手が届く”予算編成になっていないものもある。

 市は現在力を入れている子育て支援について、さらに補填的な事業も展開して継続するとしている。予算額としては膨らんでいるが、国の方向性を受けた児童手当の大幅拡充によるものが大きい。今年度実施の主な子育て支援は、子育て用品支給事業として、1歳未満の子どもがいる家庭を訪問し、紙おむつなどを届け、その際に子育てに関する悩みや不安などの相談に応じている。また、結婚新生活支援事業として、これから夫婦として新生活をスタートさせようとする世帯を対象に、結婚に伴う新生活スタートにかかる家賃や引っ越しなどの費用を支援している。
 
 少子化対策で子育て支援に注力するのは大切なことだが、もう少し視野を広げて考えてもらいたい。緑丘中と城南中が統合し2027年4月に開校する新宮中学校の制服について、市教委は先ごろ、「ブレザー型」に決定したことを報告した。保護者アンケートの結果なども踏まえてのことだが、価格は高くなる見込み。物価高騰でさまざまなものが値上がりし、家計が苦しい中、子どもの制服という、避けて通れない買い物をしなければならず、さらにきょうだいが同時に通うとなれば負担はかなり大きなものとなる。成長期にある中学生の制服にそこまで高価なものが必要かどうか。全国的には近年、制服にも多様な形が見られており、参考にしてはどうか。
 
 子育て支援には、手当支給や物品配布などの直接的支援だけでなく、必要経費を極力抑える間接支援もある。予算に限りがある中での直接支援は行き届く市民も限られてしまうが、間接支援であれば対象者に等しいサービスとなる。
 
 今月25日に市議会3月定例会が開会し、新年度予算などを審議する。議員には当局が提案する議案の表面だけでなく、予算書の中には表れていない間接的な部分も意識して臨んでもらいたい。市民サービス向上につながる活発な議論が当局と議員の間で展開されることを期待したい。
 

      紀南紗

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