「第97回選抜高校野球大会」の出場校32校が24日に決まり、新宮市出身の井上漸晟(ぜんせい)選手(1年)が所属する和歌山市立和歌山高校が選ばれた。市和歌山は3年ぶり9回目の出場。和歌山県からは智弁和歌山と2校が出場する。
市和歌山は、選抜出場校を決める重要な参考資料となる昨年秋の近畿大会でベスト4に入り、出場が有力視されていた。井上選手は1年生ながら5番でファーストを守るチームの主力で、近畿大会出場をかけた県二次予選の3位決定戦の日高戦では決勝打を放ってチームの勝利に貢献。近畿大会でも持ち前の思い切った打撃でチームを勢いづけた。
新宮市立王子ヶ浜小学校時代は蓬莱フレンズ、城南中学校時代は地域の硬式チームの南紀ボーイズで腕を磨いた。高校進学は市和歌山の半田真一監督からの誘いもあり、「智弁を倒したい」と甲子園を夢見て市和歌山への進学を決めた。入学後は和歌山市内でアパートを借りて一人で暮らしており、練習が終わって夜遅くに帰ってから自炊し、掃除と洗濯もこなしている。
2人の兄(長男・槙晟さんと次男・慎晟さん)はともに近大新宮で甲子園を目指したが、あと一歩届かず悔しい思いをした。今回、三男の漸晟さんが夢を叶えたことに父・真吾さんは「本当にうれしく、ありがとうの一言に尽きる。初めての一人暮らしも大変だと思うが、よく頑張っている」と喜んだ。真吾さんから見た井上選手の特徴は、「思い切りのよいバッティング。子どもの頃からとにかくバットを思い切り振るように言っていたので、それをずっと意識してくれている」と話した。
井上選手は「兄たちが行けなかった甲子園に行くこと、親を連れて行けることがとてもうれしい」と喜び、「甲子園では会場を沸かすプレーをし、勝負強さを見せられるように頑張りたい」と意気込みを語った。
選抜高校野球大会は3月18日(火)から13日間、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開催される。組み合わせ抽選会は3月7日(金)に実施される。
※写真は家族提供