あまりにいろんなものの価格が高騰しているので、節約により真剣に取り組むようになった。最近手を出したのは、とりの肝である。
とり肉の価格はそんなに変動していないように思うが、鍋をしようと思えば野菜に手を伸ばすことになる。昨年の猛暑や雨が少なかった影響で、野菜は軒並み高い。最近は新物が出てきたのでいくらか価格が下がったものもあるが、それにしても高い。そこで目を付けたのがとりの肝だ。肉の中では群を抜いて安く、栄養価も高い。
扱ったことがなかったので、とりあえずは下処理の方法を調べながら、なんとか寄せ鍋に投入した。肝独特の風味を生かすならだし汁はチゲ風か味噌煮込み風にしたらよかったなあという小さな反省を胸に抱きつつも、鍋は完成してしまう。
実食。安さのためにスーパーで選んでいる時には正直あまり考えないようにしていた肝の苦みが口に広がる。しかしいやではない。むしろ野菜と一緒に食べると非常に合う。先ほどの小さな反省が的を得ている事実はぬぐえないが、これはこれで。
肝を冷やすと寿命が縮む。肝は煮込んで食べるのが肝である。
【稜】