和歌山県の岸本周平知事が15日、敗血症性ショックにより亡くなった。あまりの突然の訃報に、驚いた人も多かっただろう。前日の14日に新宮市で予定されていたタウンミーティングを取材する直前、体調不良により中止となったことに不安を抱いていたところでの残念な知らせだった。
知事に就任して間もないころ、新宮市で初めてタウンミーティングがあり、所属する団体の一員として参加させていただいた。気さくな優しい人柄で、私たちの要望や意見に真摯に耳を傾け、丁寧に答えてくれたのが印象的だった。「ポテンシャルは紀南にある」と、その後も和歌山県の端っこの当地方に何度も足を運んでくれ、住民との対話を大切にしていた。
特色ある産業や恵まれた風土でありながら、全国に先駆けて進行する少子高齢化や過疎化、中心部の空洞化、南海トラフ地震の脅威など課題が多い和歌山県。長期的な展望で県の将来を見据えたビジョンを描き、知事としてこれからという時に、本当に無念だと思う。県民にとっても大きな損失。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
【織】