尾鷲市長選挙=6月1日告示、8日投開票=に向け、元県議会議員で製炭業の津村衛氏(50)が無所属で立候補することを表明し22日、野地町の事務所予定地で会見を行った。津村氏は、現在の閉塞感は加藤市政のトップダウンの政治により「市民に向き合う、市民とともに歩んでいくことができていない。みんなの声や思いが届かないから一体感が持てないことが要因の一つ」と批判。「ボトムアップのプロセスを大切にした一体感のある『みんなで一緒につくる尾鷲』を実現する」などと語った。
政策については「命を守る医療・防災対策」「元気なまちづくり」「子ども・子育て」を挙げた。防災対策については「危機管理課に防災担当監を置き、国・県・他自治体や関係機関との連携・協力をより強固にするためのネットワークを構築し、命を守る対策とともに、発災後の受援体制強化など、生き長らえた命を守る対策を行う」などと語った。
また、自主防災組織など各種団体から「(少数化や高齢化で)活動が継続できない」「いろいろな手続きが難しい」との声を受けていることに言及し、継続して運営するための支援を行うことで連携して取り組めるようにすると話した。
地域づくりに対しては「声を聞く」という言葉を繰り返し「地域の人とまちづくり協議会のようなものを立ち上げ、しっかり議論して進めていきたい」と力を込めた。子育て支援についても、子育て現役世代の意見や思いを市政に反映できる制度がないと指摘し、子育て協議会(仮)を立ち上げるとした。
まちなかの活性化や観光については、点を線や面にし「パッケージとして売り出す。リーダーとして先頭に立ちたい」「よその人に『いいまち』と言われるためでなく、住んでいる人に魅力があるまちをつくる」と語った。
現在進む大型事業については、「議会で議論して議決したことは非常に重い」と述べ、反対してストップするつもりはないと語った。一方で、「現状は、何かを作りました、はいどうぞ、という形。どう生かすかを時間をかけてしっかり話し合って決めていきたい」と思いを語った。
立候補を決意した動機については、友人や以前の支援者の声があったとした。立候補表明に際し、鈴木英敬代議士とも会って思いについて助言をもらったと語り、「当選したらしっかり連携を取らせていただく」と話した。