本日紙面に掲載の「お燈祭り」のメイン写真は、神倉神社の山頂境内で上野顯宮司によっておこされた御神火が迎え火用の大松明(おおたいまつ)に移された場面のもの。御神体「ごとびき岩」脇にある社殿で行われる古式にのっとった儀式で、当事者と上り子以外は見ることのできない光景だ。
本紙は何十年も前から、大松明の奉納という形でお燈祭りには深く関わらせてもらっている。経済的に苦しい時代もあったが、歴史と伝統ある地元の祭りへの諸先輩方の熱い思いで続けてきた。平成28年には国指定重要無形民俗文化財の指定を受け、国内はもとより世界からも注目される火祭りとなった。表面だけでなく、祭りの本質や裏方の支えを伝えていくのが自分たち地方紙の役割だと感じている。
神社関係者や神倉青年団の許可をいただき、山頂境内で撮影している。ポスターやパンフレットなどで紹介される写真は、炎が帯状に流れている「下り竜」が大半だが、本紙は祭典との関わりを誇りに思いながら、自分たちだけが撮影できる一コマをご購読者の皆さまに伝えていきたい。
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