大阪のベトナム領事館の総領事が8月、新宮市長を表敬訪問し、自国の若い人材の供給で協力したいと語り、田岡市長も介護の人材不足解消に期待感を示した。
国内では人手不足への対応として、2019年4月から在留資格「特定技能」の制度を始め、介護分野では計4つの制度で外国人が在留できる。当地方では、公的な施設「南紀園」で今月からミャンマー人6人を採用している。
正直に言うと、介護現場に外国人が入ると聞いて、はじめは違和感を覚えた。コミュニケーションはうまくとれるのか、文化の違いを超えて利用者に寄り添えるのか、利用者は不安にならないか。しかし実例を見ると、現場の雰囲気が明るくなった、コミュニケーションが活発になる、採用が難しい20代を雇用できるなど、プラスの側面も大きいようだ。
地方では遅れているが、人手不足がすでに問題になっており、さらなる深刻化も目に見えている状況で、外国人を現場に「入れるか入れないか」という議論はもはや周回遅れにも感じる。今は「どう活躍してもらうか」を行政や事業者はじめ地域全体で考える段階ではないか。
【稜】