血で血を洗い領土を切り取った戦国時代だが、「進むも滝川、退くも滝川」の名将、滝川一益は領地ではなく茶器を欲しがった、という逸話がある。茶器は権威と結びつき、恩賞や外交上の手土産としてブランド化された節がある。
尾鷲市の市有林の二酸化炭素の排出権の購入に仮想通貨とデジタルアートをからめたプロジェクト「SINRA」が始まった。正直ちんぷんかんぷんだが、デジタルと環境保全の最先端を掛け合わせた、従来の価値観と一線を画する手法であることは確かだろう。
デジタルアートは、戦国時代の茶器のようなアイコンとしての役割を果たすのかも。茶器は文化や交渉、今回の取り組みはSDGsを背景とし社会的な意義を持つ。
個人的にはデジタルアートや仮想通貨は価値の担保に不安を感じるが、SDGsやゼロカーボンに関する取り組みは積極的に行っていくべき。地域経済の活性化は前提条件として、従来の発想にとらわれない取り組みこそ、地方創生につながる。地域に根付き、知恵を尽くす姿勢が求められる。
(R)