尾鷲甘夏ワーケーションの仕掛け人、一般社団法人ウェルビーイング推進協議会代表理事の島田由香さんの講話を取材した。〝ウェルビーイング〟とは世界保健機関(WHO)によると「個人や社会にとって良い状態」とのこと。定義があいまいだが、それだけ自由でとらわれない状態なのだろう。
甘夏ワーケーションの話を聞いた時、報酬は弁当のみ、交通費と宿泊費は自己負担のプランに「本当に人が集まるのか」と半信半疑だったが、昨年は延べ96人が参加し、7割が「来年もまた参加したい」と回答している。結果は上々で、観光誘客や交流人口の増加だけでなく、就農体験の提供や自然環境保全プログラムとしても可能性がある。
「尾鷲の宝は人」と語る島田さんがハイペースで市職員や1次産業者と交流を深めていった結果が甘夏ワーケーションだが、尾鷲からみれば長年地域活性化に取り組んできた人がつかんだチャンスでもある。地域活性化は人の意志と能力によって叶い得る。「尾鷲の宝は人」は言い得て妙である。
(R)