紀北町で4年ぶりの行政報告会が行われている。獣害や空き家、浄化槽、回覧板、配食サービスと身近で切実な問題が次々と上がってくる。具体的な解決に直結する、という訳でもないが、課題として俎上(そじょう)に上げられたことに意味がある。
時間帯を夜に設定しているが、相賀と上里の参加者のうち、現役世代は数えるほど。
かつては仕事に慣れ始めてから、祭りやPTA、自治会、自主防災会などで地域と結びつきを強め、周囲も人柄や能力、考えなどを把握しながら選良を生み出していくという仕組みが有効に働いていたのだと思う。社会の個人化が進むにつれ、地域や政治に興味を持ち、周りが人となりを判断する機会が減少していることが、若者の低投票率、議員のなり手不足などにつながっているのではないか。
現役世代に、より地方政治に興味を持ってもらえるように、例えば、行政報告をまとめた動画を発信したり、オンラインでの行政報告会など、デジタル技術を活用した取り組みもアイデアの一つではないか。
(R)