県立高校入試は合格発表が終了。再募集の手続きが行われている。全日制課程でみると53校126学科で定員1万240人に対し、9984人が合格。前期後期で定員割れし、再募集を行うのは14校で定員は256人。このうち伊勢志摩と東紀州が7校149人で、尾鷲だけで64人ある。また、熊野青藍も18人の枠がある。
尾鷲は「地元唯一の高校」であるにも関わらず、定員に対する合格者の割合は6割にとどまる。尾鷲市と紀北町の中学校卒業者は6校で181人。尾鷲高校に進学するのはざっと半分にとどまる。
高校にも「選ばれる学校に」と危機感はあるが、生徒数の減少による多様性の低下の悪循環が起こっていると見る。例を挙げれば「ダンスをしたい」と松阪市の私立高に進むことも考えられる。
来年以降、私立高校の授業料の〝実質無償化〟を背景に、公立高校全体が私立高校との一層の競争にさらされる。地元で「しっかり学べ、充実した高校生活を送れる」ことをいかに中学生にアピールしていくかが問われる。
(M)