先日、会食した市内の商店主は、マーケティングやブランディング専門の部署を市が作るべきと力説していた。他の商品や地域との差別化を図り、選んでもらえるようになるためには戦略的な視点が求められる。
市としてやっていないわけではないが、もっと〝深掘り〟する必要があるとのこと。12月議会か何かで話題になっていたが、市の職員はさまざまな分野をこなす必要があり、人事異動で部署が変わる。そのような環境もあって高度なニーズに応えられるところに至っていない。
「尾鷲の魚はうまい」という話はよく聞くし、実際にその通りと思う。ただ、他にもおいしい魚が獲れる場所はたくさんある。津や名古屋でいろいろな産地の魚と一緒に並んだ場合、尾鷲を選んでもらえる一工夫が求められる。商業の話がきっかけになったが、工夫、アピール、物語が必要なのは旅行先であったり、ふるさと納税の寄付先だったりでも同様。商工観光課だけでなく、水産農林課、政策調整課にも関係するし、考え方によっては福祉保健課だったり教育委員会でも、マーケティングが政策決定の基本となる。正解がある取り組みではないが、ぜひ一考を願いたい。
(M)