今後の地域医療を考える参考にしようと、新宮市議会教育民生委員会が先日、先進的に取り組む滋賀県東近江市を視察した。少子高齢化が一層進行し、住民が安心して生活できる医療資源の提供は地域全体の大きな課題で、問題提起できればと同行させてもらった。
当地方の中核病院は新宮市立医療センターで、周辺を含め約10万人の医療対象者を受け持ち、急性期病床を中心に、地域包括ケア病棟を含む285床を擁している。圏域内には総合病院が複数あるが、各病院で医師確保に苦労している。県からは将来的に圏域内の総合病院で急性期と療養型で役割分担を図り、効率的な運営を目指す指針も示されているが、管理者の自治体同士あるいは病院現場ではそれぞれの考えもあり、具体的に進展していない。
一方で、北山村では、国保北山村診療所内に「地域医療研修センター」を開設した。村全体が地域医療の学びの場となり、未来の地域医療人材の育成を通じて村の健康維持にも貢献することが目的。診療所内の医療だけでなく、社協や役場などとの連携も目指すとしており、注目して見守りたい。
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