「ツバメが子育て真っ最中ですよ」と読者から連絡を受け、現場へ向かった。軒下の小さな巣には、5羽のヒナがぎゅうぎゅうに身を寄せ合っている。同じ方向を向いて親鳥の帰りを待つ姿が健気でかわいらしい。
ところが親鳥はなかなかなか戻ってこない。近くに止まってこちらの様子をうかがい、巣とカメラを交互に見比べながら警戒しているようで、しばらくするとそのまま飛び去ってしまった。
私もヒナと同じ気持ちになって、じっと大人しく親鳥を待った。やっと来たと思った瞬間、目にも止まらぬ速さでエサをヒナの口に放り込み、また空へ飛び立った。その慌ただしい姿に子育ての大変さを感じた。
何度かエサやりの様子を観察していると、帰って来るタイミングが分かってきた。ヒナたちが落ち着かなくなって、「ピィピィ」合唱を始めると親鳥が来るサイン。それに合わせてカメラを構え、何とか撮影することができた。
旅立ちの日は突然やってくる。にぎやかだった巣が空になると少し寂しいが、無事に育った証でもある。軒下の小さな家族も、人間も同じである。
【織】
