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紀南抄「地震体験車」

 震度6。それは人が立っていることは困難となり、多くの家具や家電が大きく移動したり倒れたりするほか、建物の壁や窓ガラスが破損や落下する恐れもある非常に強い揺れである。
 
 先日、和歌山県の地震体験車「ごりょう君」に乗る機会があった。起震車を体験するのは初めてで、緊張しながら手すりを握った。震度5程度までは何とか耐えられそうだと感じたが、震度6に変わった途端、前後左右から激しく襲う揺れに思わず声が出た。椅子に深く腰掛けていても体が大きく振られ、手すりを握る手には自然と力が入る。「これは絶対に立っていられない」と身をもって実感した。
 
 実際の住宅には、都合よく手すりがあるわけではない。周囲には食器棚やタンス、冷蔵庫など大型家財が並び、固定されていなければ凶器になり、机の下にたどりつく前に下敷きになる危険性がある。
 
 南海トラフ巨大地震の発生が懸念される中、防災対策の重要性は繰り返し指摘されている。体験車の揺れは数分で終わったが、恐怖は強く心に残った。まず命を守るために今できる備えを進めておきたい。
 
【織】

      紀南紗

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