「少年メッセージ」が1日にあり、新宮・東牟婁の全公立中学校17校17人が思いの丈を発表した。それぞれのテーマが興味深い。
最も多いのは「グループ」「仲間と共に…」「私の友達」など、人間関係について。葛藤や仲間の大切さを、それぞれが率直な言葉で語った。
容姿のコンプレックスについて語った「マスクをつけた自分」「第一歩」などは繊細な思いが緻密に語られていたし、セクシャリティに言及した「性の多様性」「自分らしさ」は、そんな揺れ動く自我と周囲の社会とのギャップに苦悩する思春期特有の大きな自意識が、自分らしさとは何か、それが世界にどう受け入れられるのかという共通の命題で、社会課題と結びついているように感じた。
一方、ひたすら趣味である生き物の飼育について語った生徒は痛快だった。泣き続けた日々を超え「悩みとは人間に与えられた命の重みだ」と言い切った生徒の覚悟と表現力は圧巻だったし、将来の夢を「エネルギー」とする生徒もいればそれを聞かれることに対する戸惑いから人生のヒントを得た生徒もいた。
その純情に敬服する。
【稜】