かつて正月の空を彩った凧(たこ)揚げ。もともとは、年の初めに両親が男子の出生を祝い、その無事な成長を祈る儀礼として行われ、高くあがればあがるほど神様に届くので願いが叶う、元気に育つとされ、意味は知らなかったが、子どものころその高さをよく競った。
正月遊びの代表格といえば羽根つき。ムクロジ(無患子)という植物の種を重りとする羽根を打ち合う羽根突きには、無病息災への願いが込められ、1年の厄をはね、子どもの健やかな成長を願うものとして親しまれた。打ち損じると顔に墨を塗るのも魔除けのおまじないとか。
さらに、「物事が円滑に回る」ことに通じて縁起がよく、うまく回ると子どもが早く独り立ちできるとされたこま回し。いろはかるたは「犬も歩けば棒にあたる」などのことわざを用いたもので、遊びながら字やことわざを覚えられるようにと、江戸時代に考案された。
我が家では母がひ孫にお手玉の手ほどきをしていたが、手先を使うことで脳を刺激して集中力も増すという。
これらの遊びにはいつの時代も変らない親心が込められている。年に一度くらいは昔の遊びに興じる機会を持つことも大切ではないか。
(J)