仕事柄というわけでもないが、各地の選挙の情報をチェックすることも多い。公約と結果から施策への支持、活性化の手段と可能性など、他山の石とすべきことは多い。
4月の愛知県の知多半島にある武豊町は20年ぶりの町長選挙となり、元町議が元副町長を125票差の僅差で破った。興味深いのが当選した元町議は「手取りを増やす5%の住民税減税」、対する元副町長は「物価高騰対策の1万円の応援券」。
元町議は減税つながりで日本保守党の河村たかし共同代表が応援に入り、元副町長は町長の後継者として支援を受けた、という背景もあり、施策が明暗を分けたとも言い難いが、地方自治体における住民税減税の効果を試す実例にはなる。
武豊町の人口は4万2000人ほどだが、火力発電所などを有し税収に恵まれて地方交付税が交付されていない。自主財源の減少は看過できるという判断か。住民税減税で周辺市町からの人口は流入するのか、減税で地方経済は活性化するのか、興味深い課題の結果は自ずと出ることになる。
(R)