昨年度三船中の1、2年生が取り組んでいた自然体験学習「紀北育」が、「紀北ネイチャーラボ」と名を改め、町内全中学校に広がった。
豊かな自然を生かした体験学習を取材する機会は多い。自然の恵みや一次産業について知り、心身の健康づくりにもつながるが、リスクマネジメントを学べることが一番大きいのではないか。
社会に出れば、危険を察知してどのように防ぐか、突発的なトラブルに冷静に対処できるか、というような問題解決能力が問われる。教育現場では基本的に万全の安全を確保しなければならず、その環境整備が進むほど、生き抜く力をどう養うのか、とある意味で二律背反のような命題がつきつけられる。
自然の中での授業は有意義だが、非常に手間がかかる。今回も「町内に広げた」と一文で済むが、各学校の1、2年生の校外学習が3回ずつある。比較的生徒数が多い学校は学年やクラス、班別で取り組むことになる。苦労も多いからこそ、有意義な教育プログラムにしていかなければならない。
(R)