年の瀬に、このまちで見てきたことを振り返ってみる。一番心に残っているのは、4年ぶりのヤーヤ祭りの練りの復活。祭りには地域を巻き込んでいく無形の力があり、コロナ禍の中では人が生きていくうえで必要不可欠なものが欠けていた。祭りのために生きている、そう思える時があってもいい。
七夕の馬越峠に現れた天の川は幻想的で美しかった。悪天候とコロナでつぶされ続けてきた七夕物語を、形を変えて復活させようと苦心する人たちを見てきた。石畳を照らしたのは、そんな人たちの願いと意志である。
おわせ港まつりの尾鷲節パレードでは、ぎこちなくも明るく踊るふるさと納税の招待者の印象がよい。やっと天気に恵まれ、盛大に打ち上げられた花火を見て、晴れ晴れとした気持ちになったものだ。
忙しさにかまけて忘れがちだが、思い返してみると良いことの方が多い一年だったこと気づく。
年が明ければ、尾鷲はヤーヤ祭りへ動き出す。それはとても幸せなことだと、コロナを経て思い知った。
(R)