メジャーリーグの大谷翔平選手のグローブが全国の小学校に届き、報道や動画共有サイトでキャッチボールを楽しむ子どもたちの姿を見た。道徳の授業の教材にしたり、子どもたちにどう使うか考えさせたり、展示して多くの人に見てもらってから児童が使ったりと、各地で知恵をしぼりながらスーパースターの善意を生かしている。
大谷選手のグローブ寄贈に呼応する形で、四国独立リーグの香川オリーブガイナーズは、香川県内の小学校にボールを寄贈。舞鶴市では匿名の市民有志がボールとバットを市内の小学校に贈っている。大谷選手の寄付はスケールが大きく真似できないが、志をつなげる善意の伝染に、心が温かくなる。
紀北町でも、地元の音楽家が「大谷選手のようにはいかないが、町内くらいだったら」と中学校にギターを1本ずつ寄贈した。野球だけでなく、善意はどんな形であってもよい、と気付かされた。ヒーローはスーパースターだけとも限らない。目の届く子どもたちを守って支えるのは、身近な大人の役割でもある。
(R)