尾鷲市は6月に市制70周年を迎える。尾鷲市史によると、1町4村が合併した昭和29年の人口が3万3188人とある。36年に3万4000人台になったのをピークに60年来減り続けている。
坂道を転がるように少子高齢化が進んだその現実に向き合い、労働力が急速に減る中で社会機能をどう維持し、増え続ける高齢者を支えていくのか。経済活力を守る手立てを急がないといけない。
小規模でも身近な資源や人材を生かし、地域でお金を回すことができる仕組みが重要だ。お金が回るということはそこに人がいる。人がいればそれに物流が派生する可能性がある。
加藤市長は本紙の新春インタビューで、尾鷲火力跡地に構想を描く大規模製材工場の誘致について「私の今年一番の仕事」と意欲を見せた。新たな企業の進出により、地域経済が刺激され、関連産業などに波及して消費や投資が増えれば、自治体の税収も地域住民の所得も増加する。何よりも、地域社会を支える経済を維持する仕組みを作ることが求められる。
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