尾鷲高校生が地域課題の解決策を考える「まちいく」が今年も始まった。生徒の柔軟な発想と積極的なチャレンジに期待したい。
尾鷲市のテーマはカーボンニュートラル。森林の温室効果ガスを吸収する機能の価値を具体化するもので、最近ニュースやCMでもよく聞くようになった。市の名前を冠する尾鷲ヒノキは日本三大人工美林に数えられ、日本農業遺産にも認定されており、自然環境の知名度は、近隣市町と比べれば高い。高校生による地域の自然を活用した環境学習は、SDGs(持続可能な開発目標)や地方創生にもかなう取り組みであり、積極的にPRして企業の協力も募るべきだろう。
紀北町のテーマは農業。農家の高齢化による耕作放棄地の増加は全国的な課題だが、農業はICT(情報通信技術)導入を積極的に進めており、飛躍の可能性がある産業の一つ。元々漁業が盛んな地域だけに、新しい食材が増えれば増えるほど、食の魅力の可能性が広まる。既に町内では若手農家がトマトやイチゴ、シイタケなどで6次産業化に取り組んでおり、彼らに続く世代を育てる意味でも、今回の生徒による学習は大きな意味を持つ。
(R)