政府が災害時の避難所運営のためのボランティアの育成を計画しているという。報道によると「マンパワーの確保が難しい自治体に代わり、住民に避難所の衛生管理や被災者の健康ケアを担ってもらい、災害関連死を防ぐのが狙い」とのこと。
国や自治体が、高度な知識を必要とする役割について、最初から無償のボランティアをあてにするのは問題がある。記事には「無償」とは書かれていなかったが、制度として地域外に派遣することが前提なら、いくらかの報酬が必要ではないか。
避難所は地域住民が運営するのが原則。実際は自治体の職員が避難所の世話をしていることが多い。普段の台風や大雨などではそれでよいが、大規模災害が起こった時、権限のある職員が避難所にはりつかざるを得ないと、復旧復興に支障が出てしまう。
ボラティア育成はよいとして、できるだけ多くの人が、災害時に対応できる知識を持っておくことが望ましい。講習の内容を、誰もが学習できるようにしておくことで、自助・共助のレベルが上がる。各地区で避難所運営マニュアルが作られている。それに取り込めるような形で、知識や仕組みが広がることに期待したい。
(M)