中部電力尾鷲三田工事所敷地に市営野球場を移転する話がこじれている。もともと大津波が起これば危険と言われている場所。尾鷲は過去にも津波の被害を受けている。リスクが高いと考えるのは当然。
一方で、広大な敷地の利活用のことや、一見ほかに適地がないこと、できるだけ費用を掛けないこと、球場移転を急ぐといった事情も理解できる。
費用を掛けないという条件には反するが、いっそのことスタンドのあるスタジアムを作ればどうか。海側は想定津波高に最低プラス10メートル、山(西)側はプラス5メートル。通路の取り付け方によっては、周辺にいる人もスタンドの高い場所に収容できるようになるのではないか。
南海トラフでの地震は30年以内の発生確率が70%~80%と言われている。施設の稼働年数内に大地震が起こる、と考えて計画、設計、運用する必要がある。スタンドの壁で津波を防ぐのは一案と思う。
築山が計画されているようだが、聞く限りでは「安心できるな」と市民に納得してもらえるようにはなっていないように感じる。安全安心がある程度担保されなければ、そこに誘客するのさえ難しいのではないか。
(M)