新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、遠方の有名観光地でなく、地元の魅力に触れる「マイクロツーリズム」が注目を集めている。本紙地域の小中学校の修学旅行も、子どもたちの安全を確保するために近場を選び、軒並み伊勢志摩に行き先を定めている。
町内のホテルに宿泊した紀北中を取材したが、関係者の「子どもたちに有意義な旅行を」という心意気に感服した。ホテルが用意した特別メニューは豪勢だったし、教職員による企画も工夫が見られた。例年とは違う形になったが、子どもたちだけでなく、地域にとっても有意義な修学旅行になったのではないか。
もちろん今年の修学旅行はコロナ禍という特殊な状況によるもの。だが、例えば、小学5年生や中学2年生の学校行事として、繁忙期を避けた上で、地域内の民宿やキャンプ場などを利用する自然体験合宿を行うのはどうか。市内や町内の宿泊施設を実際に利用することは、地元が持つ観光地としての側面を強く印象付けることにつながる。
林間学校や臨海学校などの自然体験合宿を行っている都市部の学校もあり、その受け入れを目指す上でのテストケースにもなり得る。
(R)