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社説「熊野市政に新たな流れを」

 任期満了に伴う熊野市議選は、立候補した現職9人全員が再選、元職1人が返り咲き、新人2人が加わった。これまでの市政運営に対する一定の評価と、新たな風を求める市民の意思が反映された結果と言えよう。
 
 しかし、投票率は合併後最低の67.53%で、前回の70%台から3ポイント以上落ち込んだ。市政や政治への無関心もあるだろうが、現状の議会が市民の声に応えきれているかという「不信」や「あきらめ」の表れとも考えられ、重く受け止めるべきではないか。

 今回の得票数上位2人はともに女性だった。欧米に比べると、日本はまだまだ女性政治家は少ないものの、昨年10月には憲政史上初めての女性首相が誕生し、社会全体が女性の活躍に期待する流れがある。住民の声を届けて当局と堂々と対峙し、市政発展のために先頭に立つ気概で務めてもらいたい。議会全体の活性化にもつながるだろう。

 議会には、熊野の未来をデザインするための拠点の一つであることを求めたい。市政運営は当局と議会が両輪でなければならないが、長期政権の現状を踏まえれば、当局の提案に対して是非を判断するだけでなく、議会側からもさまざまな提案があるのを普通の流れとしたい。そのため12人の議員には、単なる予算のチェック役にとどまらず、政策立案能力の向上へ日々勉強してほしい。若手や新人の柔軟な発想を、経験あるベテランがどう支え、課題である人口減少対策や地域経済再生の具体策へ結び付けていけるか。また、世界遺産の熊野古道や花の窟神社、鬼ヶ城や獅子岩、さらに紀伊半島随一の規模を誇る熊野大花火大会といった観光資源をどう持続可能な形で活用し、次世代が誇りを持てる故郷を築くのか。考えることも仕事の一つだ。

 また、今回の投票率の低下を「市民の責任」とするのではなく、市政への関心を誘うため、議論を可視化し、市民が「一票を投じて良かった」と思えるような、開かれた議会運営に努めてもらいたい。一方の市民も議員の働きぶりを注視することで、おのずと市政に関心が向き、そのような市民が増えれば、市政の停滞を防ぎ、市民サービス向上やまちづくりの好転につながるきっかけになるだろう。

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