父の影響で物心ついたころから大相撲中継を見る習慣があった。大横綱と言われた北の湖や千代の富士の時代だった。若貴時代の到来や、新宮高校時代にアマチュア横綱になった地元の久島海が幕内で活躍するようになり、毎日の取組結果に一喜一憂していた。その後、朝青龍や白鵬をはじめとしたモンゴル勢の躍進は記憶に新しい。
先日、熊野本宮大社で横綱・照ノ富士の奉納土俵入りがあった。九家隆宮司は、「熊野は再生・よみがえりの地」という言葉をよく使う。照ノ富士は大関昇進後に、けがや病気による休場で序二段まで番付を落としたが、不屈の精神で大関に戻り、さらに角界最高位にまで上り詰めた復活の横綱。3場所連続休場明けで臨んだ初場所で復活優勝を果たしたことも今回の土俵入りに花を添えた。
伊勢ヶ濱部屋では、照ノ富士に同行した幕内の熱海富士と翠富士に加え、3月の春場所で初土俵から所要9場所の「史上最速」で新入幕を果たした尊富士ら若手が活躍する。親方の現役時代(元横綱・旭富士)も好きな力士だった。春場所は伊勢ヶ濱部屋に注目して楽しみたい。
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