北山小・中学校の教職員が先日、不審者対応の防犯訓練を行った。新宮署員が講師兼刃物を振り回す不審者役となり、さすまたの使い方や通報の仕方など、有事の際の対応を実践的に学んだ。平和なイメージの北山村だが、中学校教頭は「今の時代、何があるかわかりませんから」と語る。
学校防犯を考える背景には、平成13年6月の「附属池田小学校事件」が色濃い影を落とす。大阪府の小学校の2時間目の授業の終わり際、校内に出刃包丁を持った男が侵入し、第1学年・第2学年の教室などで児童8人を殺害、児童・教員計15人を負傷させた。
新宮署員の「不審者対応は侵入されて何かされる時点で“負け”から入っている」の言葉が重い。訓練では即座に動けたが、実際に凶器を持った人を目の前にすると頭が真っ白になり、足も震えるという。守るべき子どもたちを思い、教職員たちにも自然と熱がこもる。
同校では不審者対応訓練は久しぶりだったというが、かなりの手ごたえがあったようだ。できれば考えたくないことだが、だからこそ、防災同様に防犯の見直しも重要であると感じた。
【稜】