北京五輪出場経験者の元陸上選手・小林祐梨子さんが19日、新宮納税協会と新優会主催の新年特別講演会で登壇。五輪出場の夢を叶えられた理由を語る中で、指導者のあり方として、ただ技術を教える「teach」ではなく、その人が行きたい方向へ導く「coach」が大事と語った。
教育の考え方で「魚を釣ってあげるのではなく、釣り方を教えてあげる」というものがある。目の前に空腹の子がいるとして、魚を釣ってあげれば一時的には満たされるかもしれないが、釣る人がいなくなるとその子は空腹を満たせなくなる。ならばその瞬間は厳しく思われても釣り方を教え、その子が自立できるようにするのが教育者の役目であるというものだ。
これに置き換えれば、「teach」とはその時使える技術を散発的に教えるものだが、「coach」は長い目で見てその人が自立して歩けるよう手助けをするものだ。人は怠けるし、ズルをする。目標を口にしながらも楽な方向に流れる。そういった相手を、自分が好かれる・嫌われるなどを抜きにして愛を持って導くことができるかが、教育者、あるいは大人の役割なのかなと思った。
【稜】