4月1日から東京都でも自転車保険の義務化がスタートする。被害者の救済と、加害者の経済的負担を軽減することを目的で、都民に限らず、東京都内を自転車で走行するすべての人に義務付けられる。
義務化のきっかけは、自転車事故による高額な賠償請求が起きたこと。2008年に神戸で発生した事故では、当時小学5年生の男の子が、自転車に乗っているときに女性に衝突し、女性は頭蓋骨骨折、意識不明の重体になり、保護者は約9500万円の損害賠償を命じられた。被害者にとっても加害者にとっても重大な結果となったこれらの事故を重く受け止め、兵庫県は自転車の安全利用に関する委員会を立ち上げ、自転車保険の義務化の導入に向けて検討。15年に国内で初めて自転車保険の義務化の条例が制定された。
現在、自転車保険の加入が義務付けられている自治体は、名古屋市や大阪府など3市9府県。4月1日から義務化されるのが東京や奈良など3都県。このほか、努力義務としているのが和歌山県など12道県。
子どもからお年寄りまで、誰もが気軽に利用する自転車だが、れっきとした「車両」で、甘く考えてはいけない。
(J)