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被災後に復興できるまちに 「防災への投資は未来への投資」 三木里で専門家が講演

 尾鷲市三木里町の旧三木里小学校で15日、防災を学ぶ「わがら防災フェス」が開かれた。防災庁立ち上げにも携わっている東京大学の加藤孝明教授が「防災・復興を俯瞰(ふかん)して次の物語を考える」をテーマに講演した後、加藤千速尾鷲市長や中村レイ三木里地区会長らと三木里や防災について語り合った。
 
 三木里地区が2年間取り組んできた防災の取り組みを紹介し、防災を楽しみながら学ぼうと同地区会が開いた。加藤教授の基調講演のほか、地域おこし協力隊による活動報告、女性消防団による防災食づくりも行った。
 
 加藤教授は防災や事前復興、地域安全システム学が専門。防災に関わる省庁や東京都の委員を多数務めるほか、徳島県や静岡県などの過疎地の防災のまちづくりも携わる。三木里地区に関わってきた日本都市計画家協会の山本俊哉会長の紹介で、今回の基調講演の講師を務めた。
 
 少子化や高齢化、過疎地での防災を研究している加藤教授は「大学や国では、こうあるべきだ、という論調になりがちだが、現場にはいろんな宝物があり、現場と机上を行ったり来たりすることが重要」「机上と現場には乖離(かいり)があり、今の日本には現場からのフィードバックがうまくいっていない。現場で、OKY(お前、こっち来てやってみろ)と叫びたくなる」と話した。
 
 人口減少の中での災害復興について「今は被害が拡大すると復興できなくなる。発災時に命を守ることは前提として、事前に被害を減らし、障害を取り除く対応が必要」と事前復興の重要性を指摘。「復興とはどのような姿を目指すのか。元に戻すのであれば、過疎のまちはジリ貧の状態に戻ることになる。社会変化にも適応できる対策にしておく必要がある」と述べた。
 
 南海トラフの巨大地震にも触れ「直近で能登半島地震は地域としては非常に大きい災害だったが、南海トラフ地震は被害が2桁大きくなり、圧倒的にリソース(資源)が足らなくなる。自立と我慢の中で、ギリギリのリソースで復興を成し遂げる」と述べた。
 
 沿岸部の集落で聞いた「津波よりも過疎による消滅の方が怖い」などの声、観光施設兼津波タワーなどの観光防災などにも触れて「防災への投資は明るい未来への投資ととらえるべき。防災もまちづくりの一つで、日常的な防災を織り込むことが重要」とし、「災害発生時は持ち寄りの共助で、地域の防災はグリコラージュ(有り合わせ)で最適解を出していくことが重要」と語った。
 

一線画す移住促進を
    せっかくの資源生かして

 講演後、加藤教授と加藤市長、中村会長が意見を出し合った。加藤教授は「三木里は山ほど使える資源が目に見えるが、せっかくの資源が生かしきれていないのでは。潜在的な力は感じるが、ジリ貧度は高い」と手厳しく指摘し、「地方で育てた子どもを都会に吸われ続ける現状があるが、少子化で地方の国土の存在意義が失われつつある。『逆木綿のハンカチーフ』というか、都会から人を呼べるような取り組みが必要だが、それは従来の延長線上にはない」と地域の存続に向け、一線を画す移住定住推進が必要だと述べた。

 加藤市長は「防災は重要だが、防災だけでは片手落ちで、三木里ではこのすばらしい海水浴場を生かしながら防災と観光のまちづくりを進めていかなきゃいけない。市内の学校でも防災教育やふるさと教育は進めており、今の子どもたちに防災意識は高い」と語った。

 中村会長は「OKYは非常に共感できる。声を大にしてOKYを叫び続け、いろんなところを広く巻き込んでいかなければならない。三木里小学校は防災の拠点であり、住民の心の拠り所。他の自治体では、地域課題を民間で採算ベースに乗せながら解決に取り組む組織もあり、活性化にしていきたい」と述べた。

      尾鷲市

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