ごみ袋半額、高齢者タクシー券増額も
子育てと生活支援に注力
新宮市は19日、189億4074万9000円の2026(令和8)年度一般会計当初予算案を発表した。過去最大規模だった前年度と比べて3.4%減。昨年10月に就任した上田勝之市長が就任して初めての予算編成で、公約に掲げた小中高校に入学する児童生徒に5万円、満18歳となる新成人に30万円を支給する予算を盛り込むなど、地域全体で子どもを支える環境づくりを強力に進めるとともに、高齢者等の移動支援として実施するタクシー券の交付額を増額するほか、市指定家庭用ごみ袋販売価格を半額にするなど、市民の生活を支える施策にも注力する。24日(火)開会の市議会定例会に提案する。
26年度予算は「暮らしやすいまち、誇れるまち、笑顔あふれる新宮」の実現に向け、これまでの取り組みを継承しつつ、物価高騰や人口減少等の難題に対し、10年後、20年後を見据えて未来に希望を育む「市民と歩む5つのプラン」(地域元気・命を守る・子育て安心・シニアいきいき・医療充実)に基づいた施策に重点的な予算配分を行った。
会見した上田市長は、公約の目玉だった子育てや生活支援の施策を当初予算に盛り込めたことについて、「限られた財源の中で最大の効果を生み出すことを意識した」と述べた。一方、公約とあわせて市民から要望を受けている津波避難タワー建設には、防災担当と協議を進めているとし、老朽化が進む公共施設の修繕や建て替えとあわせて避難施設整備を検討する可能性にも言及した。
■歳入
賃上げによる個人所得の増加を見込んで市税は31億2739万9000円(前年度比1.5%増)を計上。地方交付税は68億円(同2.3%増)を見込み、市の借金にあたる市債は合併特例債が25年度に起債期限を迎えたことや緊急防災・減災事業債の減少などにより15億8010万円(同34.6%減)となった。
■歳出
歳出では人件費が36億515万9000円(同6.9%増)、市立医療センター事業会計への繰り出しや物価高対策として実施する水道基本料金減免などに伴い繰り出し金は24億4567万8000円(同45.6%増)となった。地域のデジタル化やインフラ老朽化対策、防災・減災・国土強靭(きょうじん)化の推進に関係する経費や、持続可能な地域医療体制の確保、物価高への対応に関する経費等を計上した。
小中高校入学時の5万円支給は、翌年度にそれぞれ入学を控える子どものいる世帯が対象で、26年度は556人を想定し、3135万5000円を、26年度内に満18歳となる新成人への30万円支給は240人を想定し、7208万8000円を充てた。
なお、この2つの支給事業は、今春に小中高校に入学する児童生徒、25年度内に満18歳を迎えた新成人も対象とし、25年度補正予算で今定例会に計上する。
新年度の主な新規事業
新宮市が発表した2026年度一般会計当初予算について、主な新規事業などは次の通り。
- 新宮市新成人応援事業(7208万8000円)
物価高騰の影響を受ける子育て世代の保護者への経済的支援、新成人の生活応援と郷土愛の醸成を目的に、各年度に満18歳となる人に現金30万円を交付する。
- 新宮市子育て応援入学等準備支援事業(3135万5000円)
物価高騰の影響を受ける子育て世帯への支援策として、翌年度に小中高校にそれぞれ入学を控える子どもをもつ世帯等に対し、就学等準備支援として、対象の子ども1人あたり、一律5万円を支給する。
- 高齢者等タクシー券交付事業(3580万円)
高齢者等の移動支援と免許返納促進を目的に、市内在住(介護保険施設等入所者除く)の75歳以上で運転免許証を所持していない人または75歳未満で運転免許証を返納したことを証する書類を持っている人に助成券を発行する。2025年度までの交付額1人あたり1万2000円から2万円に増額する。
- 新宮市創業支援事業(560万円)
市内で開業する個人や法人、移住者等に対して、その初期費用を補助することで、新規創業の促進と初期投資の軽減、売り上げ向上の早期支援による経営の安定化・長期化を図る。
- 新宮市事業継続支援事業(310万円)
市内の同一店舗で10年以上継続して事業を営む人を支援することで、市内のにぎわいの維持や安定した雇用機会の創出に役立てる。
- 林道高田木ノ川線開設事業(4436万1000円)
高田から木ノ川をつなぐ森林管理道の開設工事を実施する。全体延長8926メートル。26年度は全体計画設計調査業務。
- 高森道路新設工事(200万円)
高森地区へ通じる道路は、現状1本のみの市道しかなく、災害時に地区の孤立が懸念される。また、現状の市道も幅員が狭く、見通しも悪い上にカーブも多いことから、2本目のアクセス道路として市道の新設を行う。
- 小学校屋内運動場空調設備整備事業(1億4520万円)
小学校4校(神倉、王子ヶ浜、三輪崎、熊野川)の屋内運動場に災害時にも使用可能な空調設備を整備する。26年度は王子ヶ浜、熊野川を整備。神倉、三輪崎は25年度で予算措置済み(工事は26年度に繰り越し)。また、中学校2校(新宮、光洋)は27年度で予定している。
- 水道事業会計繰出金(4492万4000円)、簡易水道事業会計繰出金(130万円)
物価高騰の影響が長期化する中、水道事業所が物価高騰対策として行う水道基本料金の減免(2か月分)に対し、補助する。使用量の増える夏ごろの2か月分を予定している。
