中国の武漢市を中心に猛威を振るう新型コロナウイルス。日本や台湾、韓国、アメリカ、フランス、ネパール、ベトナム、シンガポールでも感染者が出るなど拡大している。
そんな中、「武漢からの発熱症状のある旅客が、関西国際空港の検疫検査を振り切って逃げた」などとするデマが、ツイッターなどSNSで拡散された。中国語の書き込みを日本語に訳したものらしいが、関空にも問い合わせが相次ぎ、運営する関西エアポートや厚生労働省関西空港検疫所などはホームページで否定。節度ある対応を求めている。
災害などの非常事態のたびにデマが流されるが、ことあるごとに出てくるものにヘイトスピーチがある。個人や集団が抱えている主体的に変えることの難しい事柄について、差別・侮辱・誹謗・中傷をするもので、今回の新型コロナウイルスでも、日本のSNSで〝中国人ヘイト〟が相次いでいるという。
国内ではインフルエンザが大流行。全国的に警報レベルに達し、厚生労働省などは、マスクの着用など咳エチケットの励行や手洗いの徹底、体調管理など、感染対策を呼び掛けている。とるべきはデマやヘイトよりも予防策である。
(J)