大学入試センター試験が終了。今年は現行制度最後ということで、受験生のプレッシャーも大きいことと思う。
昨年秋、文部科学大臣の〝身の丈発言〟をきっかけに英語の民間テスト導入、記述式の導入が見送られることになった。それに向けて学習してきた現高校2年生以下は「なんだ」と思ったことだろう。外国語の4技能の習得、記述式に答えられる力(考えをまとめて表現できる力)は、テストと関係なく今後に生きる。
2022年度から成人年齢が引き下げられる。4月1日時点で18歳を超えている人は成人となり、04年4月2日以降に生まれた人は18歳の誕生日に成人する。多くの人が高校在学中に成人することになる。
現在でも、成人になるための消費者教育は十分とは思えない。新制度になると高校生であっても独自に契約ができるようになる一方、「未成年者取消権」を行使できなくなる。
教育課程の決定には産業界の意向が大きいと聞くが、消費者教育を適切に行っていないと、社会に混乱が生じる。若者が安心して社会に出られるよう、契約や法律に関する基礎的な授業を行うことが、入試以上に大切なことではないか。
(M)