地域社会は、5軒か10軒のコミュニティーが積み重なって成り立っている。日々の治安や防災などを支える最小自治単位だが、いつまで続くだろうか。地域集会で過疎化に伴う様々な問題が出た。
死去や移住に伴う不在地主の問題がある。豪雨の土砂崩れや、イノシシの荒しなどで山裾が崩れ、近隣の住民らに迷惑がかかることがある。市街地では、空き家が崩れたケースも見られる。全町的に今後広がっていくだろう。
かつては、子どもに資産を残せば喜ばれたが、最近は逆のケースが増えている。知り合いの家庭で、子どもが親に「処分できない土地を残されても迷惑だ。元気なうちに現金に換えておいてくれ」と要求。南海トラフ地震津波の危険性を叫ぶたびに、地価が下がり、過疎が進行する。
コミュニティーの出会いによる草刈り、清掃は、以前なら不在地主の分も、他の住民の好意で処理していたが、最近では放置したままのケースも目に付く。一人暮らしの後期高齢者が軒を並べる状況が現実になっている。回り持ちの町内の役目を飛ばしていくケースも出ているようだがやむを得ない。コミュニティーは崩壊しかかっている。町は消えていく。
(北)