米の価格の上昇が止まらない。国民の生活を直撃する問題で、参院選での争点となるが、有効な対策は見当たらない。令和の米騒動は文字通り、時の政権を打ち壊す事態になるかもしれない。
猛暑や大雨による不作、インバウンド拡大による需要増などが要因といわれているが、根本には半世紀近く続いた減反政策がある。生産を縮小して価格低下を避けてきたが、逆に米価の高騰を抑制する必要性があまり想定されていなかったのでは、とも思う。
減反は消費量の減少を見越した政策だが、それは市場の縮小と同義で、将来性を見いだせないビジネスには投資や雇用に踏み出せない。漁業や林業の現場を見ても、地方の過疎化と一次産業の衰退は相関がある。今回の米騒動は、生活に根付いているはずの一次産業の衰退が顕在化したに過ぎないのではないか。
過去の政策を机上で批判するのはたやすいが、建設的な議論が重要。消費を増やす攻めの農業や漁業、林業により重きを置かれる契機になれば、と願う。
(R)
