このほど公表された「南海トラフ地震」に関する新しい被害想定。「半割れ」時の被害についても初めて試算を行った。
潮岬沖を境に、熊野灘から駿河湾、伊豆半島に向けてを「東側」、高知沖から日向灘に向けてを「西側」としている。2つの地震がどのような時間差で起こるかにもよるだろうが、死者は一度に東西両方の領域が一度に破壊される「巨大地震」に比べて大きく減る見込み。
どのような時間差で発生するかにもよるが、直近で発生した場合、揺れによる建物の損壊は大きくなる可能性がある。半面、さすがに防災意識が高まっていると想定され、津波による死者は大きく減る。比較的早く津波が来る地域の全員が事前避難していれば、さらに被害が減ると推計された。
最初の地震に対する復旧作業をしながら、どこへ事前避難するかが課題。尾鷲市で考えれば、市内に避難に適した場所はそれほど広く取れない。高齢者や子どもたちを〝疎開〟させられる仕組みが作れるか、将来に向けて考えるべき対策はまだまだ多い。
(M)