北海道北見市が財源不足で当初予算のとりまとめが遅れ、市議会開会が延期される事態に陥った。遠く離れたまちだが、他山の石としなければならない。
北見市を調べてみると、旧北見市など4市町が平成の大合併によって誕生した北海道で最も広い自治体。オリンピックで活躍したカーリングのロコ・ソラーレの活動拠点でもある。
市内の体育館や図書館などの公共施設が多い印象。報道では「痛みを伴う組織の再編や施設の統廃合が進んでいない」「市町村合併の本来の目的である『行政のスリム化』が果たされていないと言わざるを得ない」と厳しく正しいが、合併後の住民感情に配慮しながらのまちづくりは難しい。令和5年度のふるさと納税の寄付額は約27億円で、行政が無策で危機感がなかったと一概に批判できない。
自主財源を増やすのは容易ではないが、施設の老朽化と人件費高騰は進み、今後も予算の膨張は避けられない。尾鷲市も紀北町も首長選を控える。悲観的な話題ではあるが、施設の集約や取捨選択も議論が必要だ。
(R)