地方の文化が音もなく衰退している。地域の誇りであった文化活動が高齢者だけの、それもごく一部の人だけの細々とした趣味の活動になってしまった。サークルや愛好会のどこを見ても、若い顔が見当たらない。
尾鷲市文化協会の総会でも話題になった。「尾鷲の文化はどうなるのか。年1回の文化展だけで終わるのではなく、若い人を育てる事業が必要ではないか」との声。ある文化サークルについて「最年少が73歳の私。会員の半数がよその人」という嘆きもあった。
経済や産業の衰退にとどまらず、長年地域を支えてきた芸術文化から自然科学に至るまで、あらゆる文化的な営みが後継者不足によって途絶えてしまうのではないか。各種分野のリーダー的存在がいなくなったことも痛切に感じる。
文化活動の衰退は、そのまま地域の活力低下に直結する。経済の活性化と文化の継承は決して相反するものではなく、人が集い、住み続けたいと思える魅力的なまちづくりの両輪である。新たな文化の担い手を育てる仕組みづくりが必要だ。
(N)
