尾鷲市向井にある同市の地域資源活用総合交流施設「夢古道おわせ」で、平成30年6月下旬から令和4年10月下旬までの間に、約600万円の不明金が生じていたことが判明した。この期間は概ね前指定管理の期間であり、別の前回の不適切経理問題を受けて収支をきちんと調べていれば、早期に発見できていたかもしれない。
金融機関の貸金庫の問題とも共通しているが、金銭管理を一人の担当者で完結させると、問題が起こる要因になってしまう。一方で、とくに小規模事業者にはチェックする人を別に雇用するゆとりがない。結局は担当者を信用するしかない。
昨年秋に、券売機を導入することについて議会で議論があったが、4月からの次期指定管理者への切り替えに際して、懸案を一つ消すことができたともいえる。熊野古道おわせは撤退したが、複数の候補があるという。4月から営業できない、という状況ではない。尾鷲市の重要な集客拠点の一つ。次期指定管理者が円滑に事業を始められることを願う。
(M)