木本高野球部の監督だった男性教諭は、同僚への窃盗だけでなく、部費や遠征費を私的に流用していたことが判明し、日本学生野球協会から最も重い除名処分を受けた。
木高は少人数ながら県ベスト4まで勝ち上がり、熊野古道の清掃にも励んで、甲子園の21世紀枠東海地区候補をつかみ取った。そこから、甲子園出場を目指して木高を選択した部員もいるだろう。行為の原因や背景はさておき、子どもの努力と希望に泥を塗ったのは、憤りを覚える。
北九州市で中学生2人が死傷された事件では、40代の男性が逮捕された。凶行の動機や背景は今後の捜査で判明していくだろうが、どんな事情があったにせよ、子ども2人を殺そうとするに値する理由は存在しない。
人間は集団で協力することにより命と種をつないできた、とすれば、人間社会の大きな目的の一つは、子どもを守り育てることにほかならない。それぞれ事情はあるだろうが、社会に守られて育ったはずの大人が、子どもの希望や未来を奪っていいはずもない。
(R)