列車で知り合いの奥さんと隣り合わせになった。還暦を迎えた尾鷲市民。昔は政治に興味がなかったが、今は思うところがいっぱいある。
一番の悩みは「孫を遊ばせる場所がない」。児童公園は汚いし、壊れた遊具。雨が降ったら最悪、連れて行く所がないから、家にいるしかない。おばあちゃんになって実感した。
少ないが尾鷲に住んでいる若い世代が暮らしやすく、将来に希望の持てる町にする。そのために力を注ぎ、知恵を絞りたい。老い先短い高齢者よりも、これからの未来を担っていく若者の声に耳を傾けるのは当然。ずっと住み続けてくれたなら、じいじ、ばあばも幸せ。
市民懇談会を開いても、集まるのはわずかなお年寄りだけ。子育て世代の率直な声を聞く場をつくったらどうか。現世代が「将来世代」になったつもりで政策を決めていくという手法もある。未来からの視点を持つと、今からやっておくこと、我慢すべきことが見えてくる。世代をまたぐ長期課題に対処できる意思決定の枠組みができれば、なおうれしい。
(N)