紀北町の12月議会で、出張所を廃止する条例改正案が上程された。証明書発行などの業務は郵便局に委託することで、住民の利便性を確保する。
過疎化する市町村の行政において、住民サービスの維持とコスト削減のバランスは難問の一つ。特に、紀北町は海山、紀伊長島と同規模の町が合併していて、東長島と相賀にそれぞれ庁舎と公民館があり、RDFも2つある。合併してから今までは融和の段階であり、合併特例債を活用して新しい町をつくる時期だったといえる。
自主財源を増やしにくい自治体は、必然的にサービスの効率化とコスト削減を図るほかない。紀北町も広域ごみ処理計画に舵を切り、デジタルフェアの開催やフロントヤード改革などデジタル推進に踏み出した。
紀北町の特徴として、人口密集地が離れていて、並ぶように集落が存在する。多様な文化と多彩な観光資源は大きな魅力の一つだが、集約化を図る上では難点になる可能性がある。施設の取捨選択は、今後のまちづくりの課題として考えていかねばならない。
(R)