LINE・ヤフー株式会社が、尾鷲市九鬼町の市有林「みんなの森」で吸収される二酸化炭素年間500トン分を10年にわたって〝購入する〟という契約がこのほど行われた。実際の売買は来年3月ということだが、本当に買い手がつくか分からなかったJクレジットに優良な買い手がついたといえる。
取り組みは、同社(当時はヤフー)の寄付で森林整備を進める、というプランから始まった。500トン分の金額は公表されなかったものの、得られた資金はさらに森林整備に充てるということで、施策がうまく循環する形にできた。資金不足で立ち消えになる取り組みが多い中、継続的な資金が得られる意義は大きい。
取り組みをきっかけに、尾鷲には縁がない、と思われる企業とのつながりができたのも、市にとっては大きなメリットと感じる。ふるさと納税でも関係人口を重視しているが、従業員に植樹会や見学に来てもらったり、休暇やワーケーションで来てもらったりすることにつなげられれば、つながりも深まるだろう。
(M)