二郷神社の例大祭の手踊り奉納は、今年は町内の外国人も参加した。秋の陽光を受けながら、法被を着て和気あいあいと踊る姿に、国や人種の差は感じられない。
国際協調と多様性の大切さが叫ばれて久しいが、アメリカ・ファーストを掲げるトランプ氏の大統領当選、右傾化する欧州の情勢から見るに、世界は排斥の方向に進んでいるのでは、と感じることがある。埼玉県川口市のクルド人問題のニュースを聞くと、日本としても他人事ではない。
国際情勢はさておき、国とは何なのかを考えてみる。五輪やWBC、W杯では日本を応援しているし、米大リーグの大谷選手の活躍は誇らしい。ナショナリズムかどうか、疑問も違和感も特にない。
英語のnationは民族や文化の共同体としての〝国〟だが、地域にはそれぞれnationがあると考えるとしっくりくる。地元愛は理屈ではない。
少なくとも先の例大祭では、受け入れようと声を掛ける住民がいて、快く応じてくれる異邦人がいる。共生のまちは確かにここにある。
(R)