埼玉から移住した漫画家の取材をしていて、「音楽や芸術系の人は地域の方が活動しやすい」という言葉は意外であり、納得もできた。自然の豊かさからインスピレーションを受けやすいのかと思っていたら、純粋に住環境の良さと生活コストの削減でメリットがあるという。
創作の作業をするのは基本的に屋内になり、住環境が重要になってくる。都市部のアパートの家賃以下で一軒家が借りられるのは、インドア系の趣味に熱中したい人には魅力の一つ。
具体的な移住についても、いったん住んでから、まちを知りながら本格的に物件を吟味する〝二段階移住〟が良いのでは、という話も興味深かった。
「聞いたこともなく、場所も知らない」という尾鷲に移住したのは、地方移住サイトで一番上に表示されていたこと。当時はコロナ禍で全国的に観光や移住の取り組みがリセットした形となり、そこから尾鷲が真っ先に手を挙げたから、と推測される。担当者の積極性が移住につながった、隠れたファインプレーといえる。
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