三重紀北消防組合消防本部によると、尾鷲市、紀北町での救急搬送件数が令和5年度は過去最多になった。人口が増えれば搬送が増えるのは容易に理解できる。逆に人口が減れば搬送は減ってもおかしくないが、高齢化などのため、救急搬送を必要とする人が増えているとみられる。
以前から全国的には「タクシー代わりの利用」が問題になっている。明らかな軽症・軽傷なら、かかりつけ医などに連絡を入れて診察してもらうのが本来。夜間でも開いている病院を案内してくれる仕組みがある。
同本部によると、管内でも結果的に「軽傷・軽症」という事例が約5割あるという。初めての病気だと、自分も含めて今の状態が急を要するかそうでないかの判断が難しい。
担当者は困ることとして、質問に回答してくれないことを挙げていた。電話で話をしている間も、救急隊員は出動し現場に向かっていることを知っておくだけでも気持ちにゆとりが持てる。きちんと回答することが円滑な治療につながることも知っておきたい。
(M)