中小企業の賃上げが課題になっている。今年の春闘で大手企業は非常に高い賃上げ回答を行い話題になった。では地域の中小企業はというと「物価が上がっているから、せめてその分だけでも」という事業所が多いのではないか。給与水準が低ければ人材確保にも支障がある。一方、十分な原資がない中での賃上げは事業を先細りさせてしまう。
大手自動車メーカーが、下請け企業に対し、契約後に代金を減額して支払っていたことが発覚し、問題になった。下請け、その下請け…へと正当に利益が流れてこその経済発展。このような環境なら、下請け企業が十分な賃上げを行えるはずがない。
もう一つは年金制度。マクロ経済スライドという仕組みのため、物価が上がった場合の年金額の引き上げが抑制される。この地方のように、住民の多くが「目減りする年金」を主な収入としている場合、価格転嫁は難しい。
政府は「政策を総動員」などと言っているが、根本的な部分で、小規模事業者や地域にもお金が回る仕組みが求められている。
(M)