広く意見を集めるパブリックコメントだが、チャットGPTが悪用される可能性があると指摘されている。実際にアメリカでは自動プログラムを利用して〝民意をでっちあげる〟ケースがあったという。
もし「民意のでっちあげ」が発生したとしても、一つ一つ問題を見て、しっかりと話を聞き、丁寧に議論していくほかない。地方政治において、これを防ぐ役割は議会が担うのではないか、と思う。
紀北町の9月議会の一般質問を全て傍聴したが、今回はなかなか実りが多い議論だったと思う。特に台風7号の振り返りは今後に生かすべきで、公共交通や子育て、地域活性化の分野で具体的な提言もあった。憲法や国防は大きな話だが、地方議会で議論しておく意義はある。
今後デジタル技術が発展していくとしても、最終的に判断を下し、責任を負うのは人間である。まちを見てきた人の言葉と、まちを思う人たちの議論には魂が宿ると信じる。魂のこもった議論を続けていかなければならないことに変わらない。
(R)